1. 介護サービスの現状
高齢者人口は、いわゆる「団塊の世代」(1947年~1949年に生まれた人・第一次ベビーブーム)が65歳以上になり始め、2013年の段階で高齢化率が25%を突破。4人に1人が高齢者という社会になりました。
このような高齢化の進展に伴い、要介護高齢者の増加、介護期間の長期化など、介護ニーズはますます増えています。その一方で、核家族化の進行による高齢者の独り暮らしの増加や介護する家族の高齢化など、要介護高齢者を支えてきた家族をめぐる状況も変化してきています。
介護保険は、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして2000年に創設されたサービスで、高齢者の自立を支援することを理念としており、 40歳以上の被保険者から集めた介護保険料や税金を財源として、介護が必要となった利用者の選択により、多様な保健医療サービスや福祉サービスを受けられる制度となっています。
2012年4月末現在で、要介護認定を受けている方は533万人、その内445万人がサービスを受けています。中でも居宅サービスの利用者は74%と過半数を占めており、自宅でサービスを受ける利用者が多くなっています。
介護サービスの今後の動向
2025年には、65歳以上の高齢者数は3,657万人となり、高齢化率が30%を超える見込みです。さらに家庭状況としては、世帯主が65歳以上の単身世帯や夫婦のみの世帯が増加していくと考えられています。
このような高齢化率の上昇に伴い、介護サービス費用は現在の9.4兆円(H25現在)から2025年には約20兆円に増える見込みで、高齢者を支える若者への負担が増えていくと考えられています。介護保険も現在の1割負担ではすまなくなる日もいずれやってくるでしょう。
介護保険制度の動向をよく見ておくとともに、介護が必要にならないよう、健康に気をつけたいものですね。